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右腕人材

2023.11.02 人材紹介

今週「右腕人材」に関するセミナーを行う機会がありましたので、その振り返りも兼ねて改めて右腕人材について少し考えてみたいと思います。右腕人材というと何となく「会社の課題を解決してくれる人」「社長の相談に乗ってくれる人」「参謀」のようなイメージがありますが、もし右腕人材を外部から採用する場合、右腕人材の業務内容が採用する右腕人材のパーソナリティ次第となってしまうのはあまりよくなく、「右腕人材に何をお願いするか、どのような業務をやってもらうか」ということをしっかりと定義しなければ、機能する右腕人材を採用することは難しいように思います。

右腕人材の定義は色々ありますが、私が考える定義は「社長と同じ目線で会社のことを考え、会社の様々な経営課題を解決に導けるNo.2」です。そして右腕人材のパターンとして、①特定の部署を持たず、社長と一緒に会社全体を見る人、②特定の部署の部門長として部署を統括しながら、会社全体も見る人、の2パターンがあります。具体的な役職のイメージで言うと、①は「COO」「経営企画室長」「社長室長」などで、②は「営業部長」「管理部長」「工場長」などでしょうか。そして①と②のどちらがいいかと言うと、これはもう「右腕人材に何を求めるか」という話になってきます。よくイメージされるのは「孤独な社長の相談相手」のような存在ですが、これであれば②の方がいいと思います。社長からの相談が業務のメインであれば、年がら年中相談しているわけではないでしょうから、他の業務を持ちながら、その業務・その部署の観点に全社的な観点を踏まえて社長の相談に乗る、というのがしっくり来ますので、むしろ①の人材にそのような業務設計をすると、「やることがあまりなくて暇な人」が出来上がってしまうように思います。
ただし、例えば「社長が実務の深いところまで入り込んでいるため、日々の通常業務に忙殺され、会社の未来の展望を描くなど社長がやるべきことができていないため、その点をサポートできる人材を採用したい」「社長が社内のことに追われて社外の折衝などができていないため、社内を統括できる人材を採用したい」など、「まさに社長と同じ目線で会社のことを考える」ことを右腕人材に求めるのであれば、①の方が望ましいと思います。②の人材にそのような業務設計をすると、「部署の通常業務がおろそかになり業務に支障が出る」「部署の部分最適と会社の全体最適がトレードオフになってしまう」などのデメリットが表出する可能性があるためです。

「右腕人材の採用」というのは他のポジションと比較しても会社に与える影響が非常に大きく、うまく作用すれば会社全体に前向きな刺激を与えられる反面、うまく作用しなければ会社の衰退に繋がる可能性もあるハイリスクハイリターンな施策だと思います。もし右腕人材を採用する場合は、まず「本当に必要なのか」ということを改めて問うた上で、「どのようなことをやってもらうのか」ということを明確に定義しなければ、「仕事がない暇な人を採用してしまう」「業務分担がいびつになってしまい、通常業務に支障が出る」「社長しかできないはずの仕事まで右腕人材に任せてしまい、右腕人材の会社のようになってしまう」などの弊害が出てくる恐れがありますので、お願いする業務や求める人材像などをできるだけ具体的に定義した上で人材を探し出すべきであると思います。

最後に少しだけ宣伝ですが、「右腕人材の採用について話してください」というご依頼を頂いて右腕人材の採用に関するコンテンツを考えていたら、弊社は意外と右腕人材っぽい人を紹介した事例が多いことに気づきました。もし右腕人材の採用をご検討の際は、弊社にご相談いただけますと人材像の定義からお付き合いいたしますので、緩い検討段階でも何なりとご相談いただければ幸いです。