巨人の原監督が退任を発表しました。私は小さい頃から巨人ファンで、巨人の試合を見始めた時の4番打者は原選手でした。その頃の原選手は既に全盛期を過ぎていて、4番を外れることも多くなっていましたが、それでも私は原選手が大好きで一生懸命応援しましたし、たまに打つ劇的なホームランがとても嬉しかった記憶があります。その後「私の夢には続きがあります」という名台詞を残して引退した数年後、2002年に監督に就任し就任初年度でいきなり日本一になりました。その後2003年に「人事異動」で退任となり甲子園での星野監督との抱擁・涙、2006年に監督に復帰し2008年のメークレジェンド、2009年の日本一、2012年クライマックスシリーズ崖っぷちからの3連勝・日本一、2015年退任、2019年監督復帰初年度でリーグ優勝、2020年2年連続でソフトバンクに日本シリーズで4タテ、と記憶にも記録にも残る17年間の監督生活でした。
原監督退任にあたって私が一番強く思うのは、「原監督はONが引退してからずっと巨人をど真ん中で背負い続けてきた」ということです。もし原監督がドラフトで巨人がくじを引かずに他のチームに行っていたら、現在の原監督の役割を誰が担っていたのだろうか、ということをたまに考えますが、想像しても代わりの名前が出てこないほど、原監督は巨人の中心であり続けました。80年代の選手としての全盛期を知らない私にとって、原選手はちょっと頼りない巨人の主砲、原監督は自信満々でとても頼りになる名将という印象で、これほど選手時代と監督時代の印象が異なる方もちょっと珍しいのではないかと思いますが、その辺りもまた人間らしくて魅力的でした。少なくとも私にとっては生まれてからほとんどの期間「巨人=原辰徳」だったので、原辰徳なき巨人があまり想像できないところではありますが、原辰徳以上の存在感を放つスターの誕生を心待ちにしたいと思います。
さて来年からは阿部慎之助新監督のもと、新生巨人軍がスタートを切ります。坂本選手・岡本選手・戸郷選手の大黒柱、吉川尚輝選手・大城選手・中川選手などの中堅に加え、今年は門脇選手・秋広選手・山崎伊織選手などの新しい力が台頭してきました。私が特に注目しているのは捕手争いで、阿部監督はご自身が捕手だったこともあり捕手にこだわりを持つであろうことは想像に難くなく、現在主戦の大城選手を引き続き使うのか、岸田選手・小林選手の巻き返しがあるのか、はたまた全くの新戦力が出てくるのか、非常に楽しみにしています。捕手出身の名監督と言えば野村監督・森監督・梨田監督などが挙げられるかと思いますが、阿部監督がその系譜に名前を連ねられるのか、期待して見ていきたいと思います。また私と同年代の内海哲也さんが投手コーチ就任の噂もあるので、コーチ陣の顔ぶれも楽しみにしています。
そして改めて原監督、選手15年・コーチ3年・監督17年お疲れ様でした。一ファンとして原選手・原監督には非常に楽しませていただきました。今後は解説やスポーツ番組などで、またあの爽やかな弁舌が聞けることを楽しみにしています(間違っても政治家にはならないでほしいです)。本当にありがとうございました。