ここ最近ご紹介した方の早期退職が立て続けに起こり、若干落ち込んでいます。今までは早期退職の実績がほとんどなかったので、「自分が見極めて紹介した人は早期退職しない」という自信を持っていたのですが、それが過信であったことが明らかになったということだと思います。
私は早期退職を防ぐために明確に意識して行っていることが一つあって、それは「自分が間に入って企業・転職者の意思決定を採用・入社の方向に促すことはせず、あくまでもお互いの意思で採用・入社を決めてもらう」ということです。そのために企業側には、「採用するか迷ったら採用するべきではない」とお伝えしていますし、転職者側には、「転職にはリスクがあるため、転職する明確な理由がないのであれば転職するべきではない」とお伝えしています。先日イチローさんが、「新しいチャレンジをすべきかどうか相談されたら、反対されてもやりたいかどうかを見極めるために、まずは反対してみる」とおっしゃっていた記事を読んだのですが、それと近い考え方かもしれません。
早期退職が発生してしまうと、企業側は事業運営の方向性を変更することを余儀なくされますし、転職者側は人生が大きく狂うことになります。私も転職者として何回か転職エージェントを利用したことがありますが、本当に自分のことを考えて親身になって対応していただいた方もいれば、手数料のことしか考えていないことが透けて見える方もいました。私も当然手数料は欲しいですし、手数料のことを考えて動いているように見えてしまう場面もあるかもしれませんが、できるだけ企業側にも転職者側にも相手のいい点・悪い点を含めて自分が思ったところは明確に伝え、やめておいた方がいいと思えばそのこともはっきり言うようにしています。加えて面接という限られた場ではありますが、お互いにいいところだけでなく悪いところも認識した上で意思決定をしてほしいという趣旨から、企業側には、「お互いにいいところ・悪いところをぶっちゃけやすい雰囲気を作るために、まずは企業側から認識している自社の問題点や課題などを転職者に伝えてあげてください」とお願いしていますし、転職者側には「面接を行う中で気になる点があれば、特にネガティブなことほど質問して聞いてみてください」とお伝えしています。
上記のように早期退職を防ぐべく自分なりに色々と工夫をしてきたつもりだったのですが、その工夫が不十分だったことに加え、会社設立して3年目となり、創業当初の緊張感が薄れていた点は否めないのかなと思います。本当にクライアントや転職者の方に申し訳なく思う次第です。クライアントに対しては、これから自分ができることを精一杯やるしかないと思いますが、転職者の方にできることは正直に言ってほとんどないので、今後の人生がいいものであることを願うことしかできません。改めて自分の無力さ・未熟さを痛感する2023年の幕開けとなりました。