明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新年一回目のブログは何について書こうかとネットを漁っていたら、「テレ朝の大物プロデューサー、米アマゾン移籍報告に反響」という記事が出てきました。この記事を読んでいると、後藤達也さん(日経新聞から独立)や佐久間宣行さん(テレビ東京から独立)などの顔が浮かんできて、既得権益としては最強レベルのテレビや新聞などのメディア企業からも独立したり転職したりする方がちらほら出てきたなーと改めて思いました。
そこで今日はこれらの事例をきっかけにして、改めて「安定とは何か」という点について考えてみたいと思います。
タイトルの「鶏口牛後」というのは、私の個人的なモットーというか価値観というか、自分の中でとても大切にしている言葉で、自分が今独立して、中堅中小企業の支援をするに至った軸の一つです。シンプルなイメージで言えば、「鶏口=中堅中小企業で経営幹部となること」「牛後=大企業で埋もれること」となります。「安定とは何か」と聞かれれば、私は「どのような状況に置かれても何とかお金を稼いで生活をすることができる能力を身に付けること」と答えますが、私が新卒で入った大企業を辞めたのは、「この会社で働き続けても、どこでも通用する能力みたいなものは身につかない気がする…」と直感的に思ったことが大きな理由の一つでした。その時は直感的に思っただけだったですが、今になって考えてみると、大企業の業務がその会社でしか通用しないという点において思い当たる明確な理由が一つあって、それは「社内向けの仕事が多い」ということです。大企業は日本社会において発言力が強いがゆえに、ある程度顧客の意向を無視して社内のロジックで仕事を進めたとしても、それが短期的にはまかり通ってしまうことが多いです。そうすると顧客の声を聴くことよりもいかに社内でうまく立ち回るか、という点に仕事の力点が置かれてしまうため、「どこでも通用する能力」に必要不可欠な要素である「顧客や市場の声を聴いて、その期待に応える能力」が磨かれない、ということなのではないかと思います。
そして大企業で出世されるような聡明な方は昔から上記の矛盾に気づいていて、今まではその矛盾を我慢してでも会社に残って出世する方が人生全体の効用が高いと思う人が大多数だったところ、社会の価値観や表現方法が多様化されてきたため、外に飛び出した方が心地よくお金が稼げるのではないかと思う人がちらほら出てきたというのが現在地なのかなと推察します。個人的には、大企業に勤務している優秀層が顧客や市場と向き合わずに社内向けの仕事に従事しているということが、日本企業の生産性の低さや近年の停滞の大きな要因の一つとなっていると思っているので、ぜひこのような「鶏口牛後」の価値観がもっと広まっていけばいいなと思っています。
新年一回目から独断と偏見に満ち溢れたブログになってしまいましたが、今年もマイペースに自分の偏見を言語化していきたいと思っております。改めまして本年もよろしくお願いいたします。