先週懇意にしていただいているお客様と打ち合わせをする中で、「自分のルーツは価値観形成に大きな影響を与える」というお話を伺って大変共感しましたので、本日は「自分のルーツと価値観」というテーマでブログを書こうと思います。
まず大前提として、私はいいキャリアを選ぶために一番必要なことは、「自分の価値観を把握し、その価値観に合ったフィールド(業種・職種・業歴・企業ステージ・企業規模等)を選ぶこと」であると思っています。自分の価値観に合ったフィールドで仕事をすると、本気で思っていることを言うため言葉に説得力が増します。一方で、自分の価値観に合わないフィールドで仕事をすると、本気で思っていないことを言うため言葉がどこかから借りてきたようなものになり、説得力が生まれません。その積み重ねが大きな成果の差を生むように思います。
私はナイツの漫才が好きでよく見るのですが、以前彼らがいわゆる「ヤホー漫才」を生み出す前に、普通の漫才師と同じように高いテンションで漫才をやっているのを見て、死ぬほどつまらなくて衝撃を受けたことがありました。つまり彼らほど話術が巧みな人たちですら、価値観に合わない言葉を発すると言葉に気持ちが乗らないんだなーと驚き、価値観に合う言葉を発することの重要性を再認識しました。
話が少し逸れましたが、その価値観を把握するにあたって、自分のルーツを探ることが一つのヒントになる可能性があると思っていて、自分のルーツとはズバリ「自分の親の仕事」です。
例えば、冒頭に出たお客様の場合、その方はご結婚された奥様の家業を継がれているのですが、その方のご実家も商売をやられていて、ご両親が毎日家にいて商売をしているのを間近で見ていたことが、ご自身のビジネス観を形成する原体験になった、とおっしゃっていました。
私は出身が長崎市で、同級生の父親は三菱関係の仕事をやっている方が多い中、私の父親は中小オーナー企業で働いていました。私の父親は比較的楽しそうに仕事をしており、後に仕事人生を振り返って、「仕事の中で面倒だと思うことはいっぱいあったが、会社に行きたくないと思った日は一日もなかった」と言っていました。そのように中小オーナー企業で楽しそうに働く父親を見ていたことは、私が今中堅中小企業の支援をしていることと決して無関係ではないと思います。
もちろん親の仕事をある意味「反面教師」にする方も多くいて、例えば父親が独立して非常に苦労していたのを間近で見ていた経験から、自分は絶対に大企業に入ろうと決意する方もいますし、父親が大企業で理不尽な対応を受けているのを見て、自分は組織に左右されない人材になろうと資格を取る方もいます。
これらの考えはすべて「価値観」ですのでいい悪い、合っている間違っている、ということはないのですが、間違いなく言えることは、「価値観が合わない職場で働くことは難しい」ということです。それを避けるためにはまず「自分の価値観」を把握することが非常に重要で、自分のルーツを辿ってみると、そのヒントが転がっているかもしれません。ご自身の今の仕事に何となく居心地の悪さや違和感を感じている方は、まずは「価値観の棚卸」から始めてみてはいかがでしょうか。