中日ドラゴンズの福留孝介選手、西武ライオンズの内海哲也選手が相次いで引退を発表しました。私は巨人ファンですので、福留選手には中日・阪神時代に痛いところでやられた思い出があり、内海選手には2000年代後半から2010年代前半の巨人のエースとして、数々の栄光を勝ち取ってくれた思い出があります。個人的に二人とも大好きな選手でしたので引退は非常に残念ですが、彼ら二人がいわば「転職組」として、好対照な形で転職したチームに貢献していたと外から見ていて感じたので、今日はそのことについて書きたいと思います。
福留選手の場合は「チームメイトに対して厳しく接している」印象を受けました。「個人主義者」と揶揄されることもあったと聞きますが、メジャーから帰ってきて阪神・中日と移籍する中で、卓越したバッティング理論と、自身の圧倒的な実績に裏打ちされた歯に衣着せぬ物言いで、所属するチームに勝負の厳しさを植え付けていたように思います。
以前藤浪投手が打ち込まれた時にファーストのベースカバーを怠ってしまい、そのことについて福留選手から「公開説教」を受けた、という記事を読みましたが、その藤浪選手が先日引退発表後初めて甲子園に来た福留選手に対して、深々とお辞儀をしてお礼を言っている写真を見て、「本気で藤浪選手のことを思って説教した福留選手の思いが藤浪選手に通じているんだなー」と思い少し感動しました。
一方内海選手の場合は「チームメイトに対して優しく接している」印象を受けました。巨人時代からそうでしたが、どれだけすごい実績を残そうが決して驕ることなく、どのチームメイト・スタッフにも分け隔てなく接していると聞き、「分け隔てなく」と言うのは簡単ですが、このことを実際に実行できる人は本当に少ないと思いますので、人間性が優れた人なんだろうなーと思っていました。
内海投手の引退会見で渡邊勇太朗投手が手紙を読んで涙を流しているのを見て、「最近引退会見の最後に現役選手が出てきて花束を渡す光景はよく見るけど、出てきた選手が涙を流す光景はあまり見ないなー」と思い、改めて内海選手の人間性に感服しました。
そして二人に共通しているのは、「今まで積み重ねてきた実績に胡坐をかくことなく、練習・試合において背中で自分の哲学を見せ続けてきた」というところだと思います。いくら口で耳ざわりのいい言葉を言ったところで、行動が伴っていなければチームメイトがここまで慕うということはないでしょうから、やはり「これだけ実績がある人が、これだけ一生懸命練習するんだ」という日々の姿勢が根底にあったのではないかと推察します。
転職時においても、仮に高いポジションで入社したとしても、「まずは新しい会社の文化を尊重し、会社の人の信頼を獲得するべく自分の成果を上げることに集中する」ということが非常に大事なのだと、二人の引退を通じて再認識しました。
これだけチームメイトに慕われるお二人ですから、指導者としても引く手数多だと思いますので、ぜひ第二の福留・内海育成に注力してほしいなと思います。今後も一ファンとして、お二人のご活躍を心から祈念しております(できれば内海選手には投手コーチとして巨人に戻ってきてほしいです、すぐにとは言いませんので…)。