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経営者としての責任感

2023.12.30 その他

本年も残すところあと2日になりました。今年もおかげさまで色々な方とお会いするご縁を頂きましたが、一つ強く印象に残っているのは「後継者人材採用」に関するセミナーを開催したことです。これは懇意にしている取引先の方からご依頼を頂いて開催する運びとなったのですが、このセミナーのコンテンツの中に「経営者に必要な要素」という項目があり、何よりも「経営者になりたい」という意志が重要である、という話をしました。そしてその意志は、できれば利己的な意志ではなく、「この事業は顧客のためになる・社会のためになる」という利他的な意志であることが望ましい、ということをお伝えしました。

このセミナーを開催して以来、私の心の中でずっと引っ掛かっていたのが、『果たして自分はこの「利他的な意志」を持っているのだろうか』ということでした。以前のブログでも書いた通り、私はそもそも断固たる決意があって起業したわけではなく、「このタイミングで起業しないのならもう一生起業しないだろうから、人生経験として一度やってみよう」という比較的軽い気持ちで起業しました。起業してから3年半、もちろん一生懸命やってきたつもりですが、セミナーで話す機会を頂いて改めて「偉そうにセミナーで話しているものの、かくいう自分は経営者としての責任感を持っているのだろうか?」という疑問を抱き、ここ数ヶ月は時間があるとそのことを考えていたような気がします。
私の事業は、『大企業に比べて経営資源に乏しい中堅中小企業に対して、人材を紹介することで「人」というリソースを、コンサルティングを行うことで「カネ(主にコスト削減)」「情報(仕組み)」というリソースを、それぞれ提供する』というビジネスモデルですので、「顧客のためになる」ということについては自信を持っていますし、自分が支援対象としているのは日本の99.7%を占める中堅中小企業であるため、「自分が一つ一つの仕事で結果を出して、中堅中小企業の生産性が少しでも向上すれば、それがひいては社会のためになる」ということは頭では理解しているのですが、それを果たして「経営者として備えておくべき責任感に達するレベルにまで確信して事業に邁進しているのか」という点については、自信を持って肯定できない自分がいました。
しかし、そのようなことを思い悩んでいる時にも、ありがたいことに色々なお客様から人材紹介やコンサルティング、研修等のお問い合わせを頂きました。もちろんどのような時でもお客様からご相談を頂くのは嬉しいことなのですが、「経営者の責任とは?」「自社の存在意義とは?」ということを考えている時にご相談を頂くのは、「自分が多少なりともお客様の、ひいては世の中の役に立っている」ということを再認識できる非常にありがたい機会となりました。そして、『このようなお客様がいらっしゃる限りは、自分がお客様の相談に乗り、課題を解決できる体制を整えておく責任があり、これこそが私の「経営者としての責任感」である』と自分と自社の立ち位置を改めて整理することができました。

以上のように、自社の存在意義や自分の経営者としての責任感について色々と思うところがあった年末でしたが、「必要としてくれるお客様がいることが最大の自社の存在意義であり、自分の経営者としての責任感の根源である」という結論に至りました。若干綺麗ごとのように聞こえますが、間違いなく自分にとっての本心であり、その気づきを与えていただいたお客様には改めて感謝しています。来年も少しでもお客様のお役に立てるよう、自分ができることは100%やり切ろうと思っています。本年も1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。