本日公認会計士試験の合格発表があり、元巨人・楽天で投手として活躍された池田駿さんが見事合格されたというニュースが出ていました。元プロ野球選手としては元阪神の奥村武博さん以来二人目ということですが、奥村さんは一軍公式戦の出場経験はないので、「一軍公式戦経験のあるプロ野球選手としては史上初」の快挙ということです。私は巨人ファンなのですが、恥ずかしながら池田さんのピッチングはあまり記憶になく、「ウィーラー選手の代わりに楽天に行った選手」ということで名前を記憶している程度の認識だったので、改めて池田さんが巨人に入団した2016年ドラフトの他の指名選手を調べてみたところ、現在でも巨人に残っている選手では、1位吉川尚輝選手、2位畠世周選手、6位大江竜聖選手の3選手で、「それぞれ岐路に立っているな…」と改めて思いました。
池田さんがすごいのは、2021年頃に簿記の勉強を始めてから約2年で合格しているという点で、全くの初学者から2年で合格するというのはかなり早いと思います。ニュース記事によるとCPA会計学院に通っていたとのことで、私のはるか昔の受験時代の記憶だと、CPA学院出身者は優秀な方が多い印象なので、きっと頭がすごくいい方なのだろうと推察します。私の受験時代の記憶を呼び起こすと、当時は会計士試験の予備校と言えばTAC・大原で、CPA学院はまだマイナー校の位置付けだったと思いますが、現在のCPA学院には当時の大手予備校で人気があった講師の方達が多数在籍しているようですので、合格実績を見てもTAC・大原に肩を並べたもしくは追い抜いたと言っても過言ではないように思います。
ニュース記事によると池田さんは合格後会計士の予備校講師をやるということで、恐らくCPA学院の講師の道に進まれるでしょうが、ぜひとも頑張ってほしいなと思っていまして、というのは私が会計士試験の勉強をしていた時にいつも思っていたのは、「予備校の講師のレベルが低い」ということだったからです。「予備校の講師のレベルが低い」というのは、会計基準や監査基準、会社法の条文などの「趣旨」を語れる講師があまりに少ないということです。会計士の試験に合格するためには二つの方法があると思っており、①頑張ってひたすら暗記する、②「趣旨」を理解して応用する、という二つなのですが、予備校では①を推奨しており、私としては②の方向性で勉強したいと思っていたのですが、予備校の先生に質問してもなかなか「趣旨」を語ってくれる先生がいなかったので、結構苦労しました。私は結局どうしたかというと、科目ごとに「趣旨」を語ってくれる先生を色々な予備校の中から探して、その先生の授業を単科で受けることで何とか対応できました。その時単科で受けていた先生の多くが、現在CPA学院に在籍しているようですので、池田さんもそれらの優秀な講師の方々に囲まれて指導を受けることで、きっと「趣旨」を語れる素晴らしい講師になるのではないかと期待しています。
ちなみに池田さんのニュースを見たので久しぶりに会計士試験の合格率などを調べてみたところ、今年は受験者(願書提出者)数約20,000人、合格者数約1,500人で合格率7.6%ということでした。10年前は受験者数が10,000人ぐらいまで落ち込んでいて、合格率も10%ぐらいだった記憶があるので、結構持ち直してきたなと安堵しております。やはり受験者数が増えなければ優秀な人が集まらず、結果として業界全体の地盤沈下に繋がりますので、20,000人まで持ち直してきたのは非常に喜ぶべきニュースかなと思います。改めまして池田さんを含めた合格者の皆様、合格おめでとうございます。いつか一緒にお仕事ができることを楽しみにしています。