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サッカーW杯メンバー発表

2022.11.05 その他

11/1にサッカーW杯メンバー26名が発表されました。個人的には大迫選手が外れたことに驚きましたが、森保監督としては9月のアメリカ戦の内容を高く評価し、FWはプレスの強度が高くスピードのある浅野選手・前田選手をスタメンで使い、勝負所で上田選手を投入するという方向に舵を切ったのだと思います。
私はサッカーをめちゃくちゃ見ているわけではないのでメンバーの是非については特に感想はないのですが、森保監督及びサッカー協会の対応を見ていて気になった点が一点あります。それは、「選手選考の理由が言語化されていないのではないか」ということです。

W杯メンバー発表後、内田篤人さんが森保監督に「大迫選手はなぜ外れたのですか?」という質問を投げかけたのに対して、森保監督が「総合的に判断した」と答えたのを見て、正直「つまんねー答えだなー」と思いました。当然言えないこともあるとは思いますが、インタビューは一種のショーでもあるわけなので、もう少し具体的に言及するもよし、ジョークではぐらかすもよし、見ている方が「なるほどなー」と思う回答をしてほしいなと思います。
そしてこの点について具体的に言及されないのが森保監督の個人的なトーク力の問題であれば、森保監督にプレゼン研修でも受けてスキルアップしてもらえば済む話なのですが、サッカー協会として明確に選考理由が言語化されていないのであれば、一事が万事様々なことが言語化・形式知化・ノウハウ化されておらず、様々な経験が組織的・効率的に積み上がっていかないのではないか、という疑念を抱きました。私も今までいくつかの会社に属し、色々な会社を外から見てきましたが、「なぜか?」という疑問に明確に答えを出して解決していく組織は多くなく、大体は「その疑問を持っているめんどくさい人が忘れるまで待つ」という手段で解決?している組織が多いように思います。当然言語化・形式知化・ノウハウ化というのはそれに対応する人のコストが掛かる話なので、闇雲にすべてやることが正しいとは思いませんが、重要なポイントについてはしっかりと対応し、是非の検証ができる状態にしておかなければ、組織の論理的かつ再現性のある成長は望めないのではないかと思います。そういう意味ではサッカー協会が、以前ブログで述べた「失敗の本質」でいうところの、「あいまいな戦略目的」「主観的で帰納的な戦略策定(空気の支配)」「人的ネットワーク偏重の組織構造」「属人的な組織の構造」「プロセスや動機を重視した評価」という要因を多分に含んだ組織なのではないか…と懸念しております。

選手にとっては4年に1回の晴れ舞台ですし、頑張ってほしいなという思いは当然持っていますが、サッカーに限らずビジネスにおいても、「負けるべき時に間違って勝ってしまったばっかりに、間違ったやり方が肯定されてしまい、後々大きなしっぺ返しを食らう」ということがありますので、「今回は負けるべきなのではないか」と思っている自分もいます。今回のW杯に対して私のような思いを抱いているにわかサッカーファンは少なくないのではないかと思っていまして、選手のレベルは過去類を見ないほど上がっているのだから、サッカー協会はもう少し上手に世論やメディアをマネジメントして、挙国一致で一点の曇りなく応援できる状況に持っていけないかなーと残念に思います。勝つにせよ負けるにせよせめてW杯後の総括では、「ケガ人が多かった」「ジャパンズウェイの良さは存分に発揮することができた」などの抽象的かつ他責の総括ではなく、周りが納得できるような具体的かつ論理的な総括を行うことを期待しております。