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キングオブコント2022

2022.10.14 その他

先週の日曜日にキングオブコント2022が開催されました。私は現在2歳の息子が生活の中心であるため、なかなか3時間フルで見るのは難しかったので、採点後のコメントのところは泣く泣くカットし、コントの部分のみ見ました。私はそこそこお笑い好きなのですが、1位のビスケットブラザーズと3位のや団は知らなかったので、まだまだ面白いコンビがいるもんだなーと感心した一方で、私が個人的に気になったのは、「M-1と採点の感じや大会の方式も含めて雰囲気が似てきてないか?」という点です。

キングオブコントは以前は準決勝で敗退した人たちが採点をしたり、上位5組が2回目に進んだり、M-1と一線を画した大会フォーマットだったと思うのですが、最近はM-1同様上位3組が決勝に進み、歴代王者が審査員をやる、というフォーマットになっています。何となく雰囲気として感じるのは、テレビでやるお笑いの賞レースとしてはM-1が正解とされ、キングオブコントやR-1はその軍門に下り、M-1にフォーマットを寄せている、というものです。確かにM-1のフォーマットは非常に優秀ですし、キングオブコントも以前に比べ大会自体のクオリティが安定してきたのは間違いないと思います。ただ私はニッチとか逆張りが好きな天邪鬼人間ですので、大会ごとに違うフォーマットの方が違った色のコンビが出てきていいんじゃないかなーと思っていたりします。

ビジネスでも発明された優秀なフォーマットに則って事業の効率化が図られ、業界全体のクオリティが上がっていく、ということはよくある話で、特に日本人は「フォーマットを模倣する」ということに関しては非常に長けているため、このパターンに入ると急速にクオリティの向上が進むのではないかと思います。しかしそこにはイノベーティブな発想が入り込む余地は少なく、フォーマットを壊すような独創的なものを生み出そうという余裕は失われていくような気がします。ビジネスの場合は効率化も非常に重要ですのでその方向性も大いにありだと思うのですが、クリエイティビティ勝負の側面があるお笑いにフォーマットが確立されるのは良し悪しあるんじゃないのかなーと思っています。

あと個人的にはキングオブコントを作っているTBSの人たちがどのような思いでM-1に寄せているのかも気になっています。「M-1の模倣するなんてクソだ!俺がぶっ壊して全く違うフォーマットを作ってやる!」という人が内部にいるのであれば、ぜひ応援したいなーと思います。M-1のフォーマットを作った人は凄いと思いますが、そのフォーマットを模倣して番組を作る人は、仮にその番組の質が高いとしてもそんなに凄くないと思いますので、キングオブコントがぜひまた独創性のある大会に生まれ変わることを期待しています。