ブログ

バスケW杯

2023.09.01 その他

バスケットのW杯が盛り上がっていまして、日本代表は昨日のベネズエラ戦に勝ってパリ五輪出場権獲得に一歩近づきました。私もスラムダンク世代ど真ん中なので、昨日の試合で比江島選手を見て三井寿だ!と思いましたし、河村選手を見て宮城リョータだ!と思いました。バスケットの試合を生中継で見たのは初めてでしたが、昨日の日本がそうであったように、いったん流れに乗ると20点ぐらいは一気に詰まるので、いかに相手の流れの時に点差を広げられず我慢するか、というところが非常に重要なのかなと思いました。

さて今日考えたいのは「W杯後バスケ(Bリーグ)は盛り上がるのか?」ということです。なでしこジャパンやラグビーなど、世界大会で一時的に盛り上がったがその後人気が下火になってしまったスポーツも多くあり、個人的にはバスケットもその轍を踏んでしまうのではないか、と思っています。私はバスケット協会にどのような方がいらっしゃるか全く存じ上げませんので、バスケットがそうであると思っているわけではないのですが、一般的にあるスポーツが普及しない一番大きな理由は、「そのスポーツの協会の中枢に、心の底からそのスポーツを普及させたいと思っている人がいない」ということではないかと思います。大体どのスポーツの協会においても、中枢にいるのは昔そのスポーツで日本代表になった経験がある高齢の方であることが多く、その方たちの基本的な考え方としては、「競技の普及<自分の既得権益」となっているように思います。すなわち、その競技自体がメジャーになってほしいという気持ちはないわけではないけれども、その過程でその競技と関係のない外部の人材が入ってきたり、自分の立場が脅かされることの方が怖いため、そのような事態を招くぐらいなら普及しなくていい、というような考え方の人が多いのではないかということです。例えばフェンシングは日本の競技人口のわりに、集客などで色々と新しい試みをやって健闘しているように思えますが、これは太田雄貴さんという元トッププレイヤーでしかもビジネス面でも優秀というスーパーな人がいることが主な要因だと思われ、今の日本のマイナースポーツの現状として、メジャー化する一番現実的な方法としては、フェンシングにおける太田雄貴さんのような元トッププレイヤーの突然変異が出てくることを祈る、ということしかないように思います。太田さんぐらい優秀であれば、別にフェンシングに頼らなくても生きていけますので、外部の人間を入れてオープンにすることを恐れることはないのですが、大体のスポーツの中枢にいる方はそのスポーツなくして生きていけない人が多いため、外部の人間を入れて自分の立場が脅かされることを恐れ、自分の既得権益を失う可能性がある改革をやる必要があるぐらいなら普及せずマイナーなままでいいや、と思うことが多いのではないかと推察します。

スポーツを例に挙げましたが、上記の現象は日本中のあらゆる組織で起こっているように思います。志が高く有能な人材が中枢にいる組織は、オープンな議論が起こり外部の力もフラットに使いながらますます繁栄する一方、志が低く無能な人材が中枢にいる組織は、保身や隠蔽、根回しといったようなあまり生産的ではない活動に力点が置かれてますます衰退していく、ということになるでしょう。「志が高く有能な人材が組織の中枢で働く手助けをしたい」という点も、私が人材紹介事業を手掛けている一つの大きなモチベーションとなっています。バスケの協会がW杯後どのような動きをするのか、興味深く見守りたいと思います。