ブログ

文章はその人の生き様を表す

2023.07.08 その他

先日音楽プロデューサーの松尾潔さんが、メディアでジャニーズ性加害に苦言を呈したことが原因で、山下達郎さんらが所属する音楽プロダクションのスマイルカンパニーとのマネジメント契約の解除に至った、というニュースが出ていました。私が松尾潔さんを初めて知ったのが、ASAYANのCHEMISTRYがデビューしたオーディションでプロデューサーとして出ていた時で、その当時恐らく32-3歳だったと思いますが、「すごいカッコいい人だなー」「しかもめちゃくちゃ頭よさそうにしゃべるなー」という印象を持ち、オーディションの結末もさることながら、松尾さん見たさにASAYANを毎週楽しみにしていた記憶があります。このオーディションに出ていた方々は、CHEMISTRYのお二人と現EXILEのATSUSHIさんは少し年上、藤岡正明さんと現EXILEのNESMITHさんはほぼ同世代だったので毎週固唾を飲んでオーディションの行方を見守っていましたし、デビューが決まったCHEMISTRYを、大学受験の前日に宿泊していた新宿のホテルの近くで、デビュー記念インストアライブを偶然鑑賞するという機会にも恵まれました。何よりオーディションに参加していた5人が全員それぞれめちゃくちゃキャラ立ちしていたのと、プロデューサーの松尾さんがまためちゃくちゃカッコいい大人だったので、正直今までの自分の人生の中で一番のめり込んで見た番組だったように思います。

このような思い出もあり、このニュースで松尾さんのお名前を伺った時には、ある種の懐かしさを覚えたのですが、その松尾さんがこの件に関して、昨日日刊ゲンダイに連載中のコラム「松尾潔のメロウな木曜日」にて全真相を明らかにする、ということで実際にコラムを読みまして、文章がとても綺麗で若干感動すら覚えました。表現力が非常に豊かであり、読みごたえがあると同時に、その表現力が過剰ではないため伝えたいことは明確に伝わる、という素晴らしい内容で、特に最後の山下達郎さんの最新アルバムの曲の歌詞を自分の心情になぞらえて結びとするところは読んでいて鳥肌が立ちました。まさに松尾さんのこれまでの生き様が表現されているように感じ、私は「やっぱりこの人は20年前に感じたとおり、見た目だけではなく内面もめちゃくちゃカッコいい人なんだな」と思いました。

私は仕事柄候補者の方の職務経歴書など、人の書く文章を拝見する機会が比較的多いと思いますが、その人が書く文章を読むと、その人の人柄や価値観、生き様などが透けて見える気がします。例えば私が書く文章はわりと結論だけ書いてあることが多く、わかりやすい反面情緒がないように思いますが、これも自分の人柄をよく表しているように思います。従って、必要な内容が過不足なく見事にまとまっている職務経歴書を見て、「この人はきっと素敵な人なんだろうなー」と思うこともあれば、面談の印象が非常によかったにも関わらず、その後提出いただいた職務経歴書がイマイチで、「あれ?」と思うこともあります。私は転職データベースに書いてある職務経歴書を読みながら、この人がどのような価値観を持っていて、どのように生きてこられたのか、ということを想像しながらスカウトメールを送ることが好きですし、またスカウトの返信が来て面談をする際に、自分の想像とお話しした感じが近いのか遠いのか、という答え合わせをするのも好きなので、この辺りがこの仕事の醍醐味の一つなのかなーと思ったりもします。なおこのブログで数多くの文章を晒している私は、毎週自分の生き様を全力で表現していることになるわけですが、自分の偏見や価値観を自分で整理すると同時に皆様にお伝えする、ということもブログの目的の一つですので、これからも自分の生き様や価値観が見えるようなブログを書いていきたいなと思っています。

最後に余談ですが、松尾さんのご経歴を調べたところ福岡の修猷館高校卒業ということで、「さすが!」と感心しました。松尾さんに限らず、本来であればエリートコースを歩めるはずだが、それを蹴って少し変わった業界に飛び込んだ人というのは、その業界で目覚ましい活躍をしている例が多いように思います。その辺りの話もまた別の機会に述べてみたいなと思います。