Numberの最新号が「日韓W杯20年後の告白。」というテーマだったので、懐かしくなり買って読んでみました。日韓W杯の頃は私は大学生だったので、一人暮らしの私の部屋で、ホッケー部の先輩や同期と日本戦をテレビ観戦した記憶がつい昨日のことのように思い出され、あれから20年かと思うと、時が経つのはめちゃくちゃ早いなと改めて感じたところです。
色々な選手のインタビュー記事が載っていて非常に読みごたえがあったのですが、私が特に印象に残ったのは中田英寿さんの記事でした。金子達仁さんとのいつもの感じのインタビュー記事の中で、「やっぱり、大事なのは考えること。そして意志を持つこと。じゃなきゃ、きっと上手くならない。強くなれない。ゴルフも、サッカーも」というコメントがあり、このことはゴルフやサッカーだけではなく全ての仕事に共通するのではないかと思いました。
中田さんは現役時代マスコミ嫌いで有名で、私も当時はインタビューを見ている時に、「なぜこの人はこんなに棘のある言い方をするのだろう」と思っていたのですが、今になって思えば少し理解できる部分があって、それは「インタビュアーの意志を感じなかった」からではないかということです。インタビュアーの質問に「テレビ局の意志」を強く感じ、「インタビュアー自身の意志」を感じなかったからこそ、「プロとして自分の意志はないのか」という投げ掛けの意味を込めて棘のある言い方をしていたのではないかと思います。
私が今まで仕事上でお会いしてきた方のうち、いい仕事をされている方は漏れなく「自分はこうしたい、こうすべきである」という強烈な意志を持っていたように思います。意志を持って仕事をされている方は、その意志が前面に出ており、判断基準が明確で、非常にわかりやすいため、こちらからも意志をぶつけると、お互いの意志が化学反応を起こして非常に話が盛り上がることが多いです。
営業マンが「御社のために」と言う場面において、それが自分の意志で、本当にその会社のためになると思って言う「御社のために」と、自分の意志ではなく会社が課したノルマを達成するために言う「御社のために」は、同じ言葉でも相手に伝わる熱意が違うように思いますし、何よりその言葉を受け取る側が意志がある人であればあるほど、その「御社のために」が自分の意志で発しているものなのかどうかを明確に見極めると思います。
私自身「自分がこうしたい」という意志は強く持っている方だと思っていますが、その意志が自分勝手な、独りよがりなものになっていないかは常に自問自答しなければならないなとこの記事を読んで改めて感じました。それにしても、改めてあれからもう20年経つのか…という感じです…。